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山口県山口市の耳鼻咽喉科かめやまクリニック

睡眠時無呼吸症候群外来(SAS)

症状とリスク

いびきの背後に潜む睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸の停止を繰り返す病気で、ほとんどの場合、いびきを伴います。

  • 呼吸が完全に停止する状態が、10分以上続く ・・・ 無呼吸
  • 呼吸の大きさが通常の半分以下になる状態が、10分以上続く ・・・ 低呼吸

これら低呼吸や無呼吸が、平均して1時間あたりに5回以上おこり、加えて、日中の眠気などがある場合を、睡眠時無呼吸症候群といいます。

1回あたりに10秒以上呼吸が止まる。それを一晩の睡眠中に何十回、ひどい場合は何百回も繰り返す。

中には1分〜2分近くの無呼吸を一晩でなんと200回以上も繰り返す場合もあります。

例えば、皆様が寝ている間に誰かに鼻と口を1分間、一晩に100回以上塞がれる・・・。睡眠中は毎日それの繰り返し・・。というように考えると、睡眠時無呼吸症候群という問題の重大性が分かりやすいかと思います。

他の大きな疾患のきっかけとなる

睡眠時無呼吸症候群は、肥満に伴う生活習慣病やメタボリックシンドロームと密接に関連し、高血圧、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、不整脈、心不全などを高率に合併するとされており、さらに、脳卒中や慢性腎疾患を合併しやすいことも分かってきています。

先ほど述べたように、一晩で何度も息が止まってしまうわけですから、それが長年蓄積すれば、病気にならないほうが不思議であるといえるかもしれません。

睡眠時無呼吸症候群が合併しやすい病気や症状

交通事故のリスクが高まる

最近は運転免許の更新などでも頻繁に睡眠時無呼吸症候群のリスクが取り上げられるようになりました。
睡眠時無呼吸症候群の問題点として、日中の突然の強い眠気や、一人でリラックスしているとき等に強い眠気がおきやすいということが挙げられます。
これは我々の現代社会を支える車での移動の安全性に重大なリスクをもたらします。

特に、毎日のように車やバイクの運転をされている方は要注意です。突然の眠気や極度の眠気に襲われると、命に支障をきたすような大事故を引き起こす可能性があります。
アメリカのバージニア州で行われた調査では、睡眠時無呼吸症候群の方29名と、睡眠時無呼吸症候群ではない方35名を比較したところ、睡眠時無呼吸症候群の方はそうでない方に比べて事故率が7倍高かったというデータがあります。(Findley LJ et al: Automobile accidents involving patients with obstructive sleep apnea. Am Rev Respir Dis 1988; 138:337-40)

QOL(生活の質)の低下による、社会的非難、劣等感を持つ場合がある。

現在、アメリカでは10人に1人、日本人では50人に1人が睡眠時無呼吸症候群と言われていますが、食生活の欧米化(肥満の方の増加)により、この割合は年々増加傾向に
あるようです。

もはや睡眠時無呼吸症候群は珍しい病気ではありません。貴方のすぐ近くに存在する、国民的疾患であり、国民的生活習慣病でもあります。放っておくと、日常の生活の質の低下はもちろん、日中の眠気から集中力が低下し、学業や就労にも支障をきたす場合があります。

さて、以上のような睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、まず、原因の診断と、その程度を把握することが重要になります。